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【小説】 護くんに女神の祝福を! (8)
護くんに女神の祝福を!〈8〉
護くんに女神の祝福を!〈8〉
岩田 洋季

せっかくネット環境の中にいるので、久々にラノベ書評なぞ。
さてさて、僕が現在のラノベにハマるきっかけを作ってくれた、護くんシリーズの第八巻。
絢子と護、そしてその二人をいじりまくることが大好きな生徒会メンバーが、南国の島@パラオへ行くことになる、というのが主軸なのですが。

何ていうんでしょう。
今回はいつもと趣向が違う感じ。
もちろん、普段どおりの激ピュアラブコメディも満載なのですが、ラストエピソードに向けてってこともあるのでしょうか、何やら護と絢子、そして生徒会の周辺が騒がしくなり始めました。
分かりやすく言っちゃえば、シリアス路線に向かう可能性が出てきた、ということ。

この作品に激甘なラブコメ要素を期待し続けている僕としては、ちょっと残念な気もしますが、やはりシリーズものとしては、そうとばかりも言ってられないってことなんでしょうね。

とりあえず、この本は前編に当たっていますので、この本の評価は次の後編(もしくは中篇?)次第。
というわけで、今回はこの評価にとどめました。

次はいきなり辛い展開、ってことにならなければいいなぁ。


追記
うぅむ。やっぱり手元に本がないと、感想を書きづらいですねぇ。
ちょっと前に読んだ本だったから、内容もうろ覚えだし。
この辺も考えて対策せねば。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 11:51
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【小説】 陰からマモル (3) 〜忍の里から来た少女〜
陰からマモル!〈3〉忍の里から来た少女
陰からマモル!〈3〉忍の里から来た少女
阿智 太郎

忍の里から来た少女。
なんていうか、ラブコメの流れで想像すると、幼少時代にマモルが住んでいた妹のような存在が、上京してくる話か、と思っていたわけですが、

本当にその通りでした。

まさにラブコメを教科書通りに作りましたって感じの展開で、だからこそ不安要素は一切なし。

しかも、ヒロインである紺若ゆうなが、いつも通りにポケーッとしているもんですから、読んでいる側はハラハラもドキドキもしない。

ただ、普段はダサダサの格好をしているマモルと、その少女が出会ったときと、忍者になったマモルとのギャップに、その少女はどんな反応をするんだろう、という期待感はありましたけど。

ま、いくつか今後の波風につながるであろう布石を打ち始めてはいますので、クライマックスにはどうなるか分かりませんが、まぁ、今のところは、こうしたギャグの日常を楽しんでいれば良いってことなんでしょう。

それはそうと、やっぱり椿の扱いがぞんざいになっちゃってましたねぇ。
個人的には、あと一回くらいは、その他大勢ではなく、ゆうなの強敵として活躍してもらいたいんですが、どうだろー。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 01:51
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【小説】 陰からマモル (2) 〜椿の初でいとへの道〜
陰からマモル!〈2〉椿の初でいとへの道
陰からマモル!〈2〉椿の初でいとへの道
阿智 太郎

さて、以前にちょこっと読んだ第一巻で、続きが気になってしまったので購入しました。

なんていうか、よく言えば「非常に安定感のある作風」。
悪く言ってしまえば、マンネリっぽい流れ。

バカに始まり、バカに終わる。
人間関係が進展するわけでもなく、状況が変わるわけでもなく、ひたすら同じおバカな日常が繰り返される。

だからこそ安心して読めるわけですが、

ドキドキ感が物足りない。

ドキドキしないから次に期待することはないし、結末も日常に戻ってしまうから、今後に不安を感じたりもしない。

文章作法に関しても、わざと口語表現を使ってマンガに近いイメージを持ってもらおうとしているみたいだし、ギャグマンガのように気軽に読める作品としては、完成型なのかもしれないですね。

で、今回、副題に出てきた椿ですが、主人公マモルとの空回りなやりとりが、それなりにおもしろい一冊でした。

うっ、本当に頭に残っているのがこれしかない。

この辺の人間関係がもっと進展すれば、おもしろいなぁ、とは思うのですが、たぶん、それは期待できないだろうなぁ。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 01:35
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【映画】 ファイヤーウォール
ファイヤーウォール (出演 ハリソン・フォード)
ファイヤーウォール (出演 ハリソン・フォード)

更新がかなり滞ってしまってます。
ごめんなさい。
その理由は、改めて説明させていただくとして、今回は、ちょっと前に観た映画。

この映画、予告編を観たとき、少々悪い予感がしたんですよね。
だって

「あなたの個人情報は大丈夫ですか?」

だったんですもん。
これは時事ネタ映画……?

なんて、ね。

別に時事ネタを映画にするな、とは言わないけど、アクション風にするのはどうかなぁ、なんて思うわけです。

で、観た結論。

思っていたよりも、まぁ、良い映画だったんじゃないでしょうか。

べた褒めするほどではないけど、娯楽大作としてはよくできているし、時期が過ぎると観られないってほどでもなかったし。

でも何より良かったのが、ハリソン・フォードの役どころ。

どこにでもいる普通のお父さん。
反抗期の娘からは疎んじられ、でも頑張っている。

そのお父さんが家族の危機に対面したとき、これまでやらなかったような無茶をしてでも、家族を助けようとする姿。

今を頑張っているお父さん世代が観れば、いろいろと共感できる映画なんじゃないでしょうか。

悪役のキャラクターもなかなかに良くって、同乗するに値しない冷徹非道っぷりは、この映画にハリを与えていますね。

パソコンを知っている人間からは、何カ所か「そういうもんか?」なんて部分もありましたが、観た後にスカッとする意味では、オススメできる映画です。

そう言えば、この映画を観ていて思い出したんですが、何となくエアフォースワンに似ているなぁ、なんて思ったのは、僕だけでしょうか?
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 01:17
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【小説】 クビシメロマンチスト 〜人間失格・零崎人識〜
クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識
クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識
西尾 維新

うぅむ。
いっつも文庫ばっかり読んでいるから気づかなかったんですが、こういった新書版って、中身がギッチリと詰まっているんですね。
おかげで、読むのに時間がかかるったらありゃしない。

まぁ、それはともかくとして、戯言シリーズの二冊目。
正直、読み終わった感想はというと、けっこう微妙。

それなりにおもしろかったんですけどね。
伏線の消化にも不満はなかったし、ミステリとしての破綻も感じられなかった。

ただ、犯人へとたどり着いたときの驚きというか、そういうのが薄かったんですよねぇ。
その理由はネタバレにゆずりますが、えー、推理小説としては弱かったかな、ということだけ。

さて、今のはマイナスポイントでしたが、それよりもやっぱりプラスポイントが大きい作品でしたね。
特に今回も登場してきた個性が強すぎるキャラ。
特に葵井巫女子ちゃんは良かったですねぇ。
いーくんに対して、ラブラブモード全開というのが、もう。
これだけで、読む価値アリ、という感じですよ。はい。

あ、いかん、あれこれ触れようと思うけど、そのたびにネタバレに繋がりそうな気がする。

しゃあない、続きは以下で、ってことで、以下ネタバレ。
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author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 02:38
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【映画】 サイレン 〜FORBIDEN SIREN〜
ちょっと更新する余裕がでてきたので、更新していなかった映画とラノベの感想をアップしようか。
そう思って前回の更新日をチェックしてみると、そのときも木曜日だったんですね。
木曜日って、更新しやすい日なんでしょうか。

う〜む。しばらくはこのペースでいってみようかな。

では、かなり前から楽しみにしていたこの映画の評価をば。

まずは見終わっての素直な感想。

けっこう微妙。

おもしろくないことはないんです。
ただ、違う意味で肩すかしを食らったというか、そういう感じ。

そこんとこは詳しいことを書くとネタバレになってしまうので、後述するとして、雰囲気はどうだったかというと。

見えない恐怖でドキドキさせてくれるのかと思いきや、さにあらず。
出てくる人物すべてが、何やら裏に抱えている感じで、それに恐怖する感じ。

いわば『見えない恐怖』ではなく『人間の恐怖』というところでしょうか。
だから、ドキドキよりもモヤモヤの方が大きくて、素直に怖がらせてくれる映画とは言い難いものがありますね。

ただ、ストーリー的に嫌いではなかったので、もう少し料理の仕方が変わっていれば、最高評価にできたんじゃないかなぁ、と。

一つだけ言えるのは、期待しすぎなければ、まぁおもしろいんじゃないかということかな?


以下、ネタバレ。
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author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 03:52
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【小説】 ボクのセカイをまもるヒト
ボクのセカイをまもるヒト
ボクのセカイをまもるヒト

さて、今年最初の更新をば。

これは昨年読んだ本なのですが、そうですねぇ。

単刀直入に言ってしまうと、ベタ。

まぁ、それは良いんですよ。
僕はベタを否定しませんし、むしろ肯定している方ですから。
ただ、なんていうんだろ。
キャラに依存しすぎるというか、そんなイメージを受ける作品でした。
わかりやすく言えば、キャラ萌え小説、ということでしょうか。

分かりやすいツンデレ系に妹系、そしてメイドさん。
今、人気があるキャラを、まずは抑えてみました、という感じのキャラクターばっかり。

それがちと、計算のにおいをさせるんですね。

僕が好きなラブコメ要素は少しばかりありましたが、それほど前面に押し出されているわけでもなく。
ストーリーについても、詳細は後述しますが、いまいちという感じかな。

ただ、この谷川氏の作品については前例があるもんで、一応続巻を買ってみるつもりではあります。
予想外に面白い作品だ! と言わせる作品になってるといいなぁ。

以下、ネタバレ。
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author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 04:50
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【小説】 女子大生会計士の事件簿 DX.1
女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様
女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様
山田 真哉

すみません。
また、かなり間が空いてしまいましたね。
もっと更新頻度を上げたいのですが、どうも現状では無理そうです。
よって、更新は週1〜2回、というペースが続くかと。
でも、どんなに遅れても、更新は続けていきますので、温かい目で見守ってやってくださいまし。


さてさて。
そんなこんなで、本日読み終わったのがコレ。
周囲でじつに多くの方がレビューされているので、どんなものかと手を出してみた次第。

内容はというと。
キュートな女子大生会計士、藤原萌実と入所1年目の新米会計士、柿本一麻が、監査の先々で出くわす奇妙な事件。
粉飾会計、会社乗っ取り、クーポン詐欺などなど、バラエティ豊かな謎を解くうち、会計の仕組み、会社の仕組み、そして経済の仕組みがみるみる分かる!
単行本時には未収録だった短編2本を追加収録したビジネスミステリ書、待望の第1弾!
というもので、読み終わっての感想はというと。

完全にビジネス書じゃん。

いや、著者の方は、完全にそのつもりで書かれているようなので、まったく問題はないのですが、もっと小説らしい小説なのかと思っておりました。

さて、この本、小説とどこが違うかと言いますと、
人物像や人間関係には、あまり多く触れていないんです。

ただ、これはマイナス要素となるものではなく、あとがきによればどうも、「この本は会計の仕組みを伝えるための本」ということで、それ以外のややこしい設定をすべて省いた結果らしいです。
つまり、意図してやったということですが、そう考えると、かなり上手ですよ、この人。

なんていうんですかね。
最低限の人物と舞台設定を使って、うまく会計の仕組みを教えている形式は、ドラマのカバチタレ!を観ているような、そんな感じ。
主人公に29歳の青年を配置し、その上司を魅力的な女子大生としているおかげで、全体的にライトな雰囲気に仕上がっていますし、かつ、その雰囲気に流されることなく、会計のしくみはきちんと伝えている。
んでもって、そのうえで主旨を乱さない程度に、物語をうまく構成していますし、そこらの新人作家が書くミステリよか、ずっとミステリとして成立している本だと言えるんじゃないでしょうか。

なんで、ボクとしては、この本が世界一やさしい会計の本、と言うのも納得しています。

ただ、主軸がビジネス書であるが故に、どうして上司が女子大生である必要があるのかとか、そういう小説としてのツッコミどころも多数あったりするわけですが。

まぁ、物語として読むには、ちょっと難がある本ですが、会計に興味があるという人には、かなりオススメできる1冊だと思います。

ちなみに、この本を読んで、このタイプの本をもっと読んでみたい、と思った方は、ザ・ゴールなんてのも読んでみると良いかも。
こちらもミステリ形式の経済本ですが、はっきり言って分厚いです。
でも推理小説みたいに楽しめますので、興味のある方はどぞ。

あ、そうそう。
女子大生会計士の事件簿は短編集ですので、いつもなら各話のあらすじを入れるところですが、この本についてはあまり必要なさそうなので、タイトルだけ羅列していきますね。


監査ファイル1
【北アルプス絵はがき事件】簿外入金・架空出金の話

監査ファイル2
【株と法律と恋愛相談事件】債務保証・商法の話

監査ファイル3
【桜の頃、サクラ工場、さくら吹雪事件】未収入金・未払金の話

監査ファイル4
【かぐや姫を追いかけて事件】固定資産の話

監査ファイル5
【美味しいたこ焼き事件】売掛金の話

監査ファイル6
【死那葉草の草原事件】土地の評価の話

監査ファイル7
【ベンチャー王子様(プリンス)事件】SPC(特別目的会社)の話

監査ファイルEX
【女子大生会計士の事件後】
これらの事件を終えた、エピソード的内容。
この辺が、きちんと小説しているんですよねぇ。

まぁ、ラブコメ風味は足りませんでしたが、納得の一冊ではありました。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 05:49
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【小説】 今日からマのつく自由業!
今日からマのつく自由業!
今日からマのつく自由業!
喬林 知


さて、ここんとこラノベの書評が先延ばしになってますね。
ごめんなさい。

で、今回は久々の書評ということもあって、読みやすそうなこの本を選びました。
内容としてはですね。
正義感と負けん気が人一倍つよいおれ、渋谷有利・15歳。
ある日、ヤンキー高校生にからまれたメガネくんを助けて返り討ちに遭い、公園のトイレに連れ込まれた末、便器に顔を……。
と思ったら、なぜかいきなり水流に呑まれ、欧風異世界にたどり着いてしまった!
おまけにどういうわけか、そこでのおれは、急に魔王ってことにされちまってて……。
抱腹絶倒のハイテンション・ファンタジー!

というものなんですが。

はっきり言ってしまうと、ちょっと微妙だったかな。

いや、おもしろいことはおもしろいんですよ。
シチュエーションとしては、現代日本人がいきなりファンタジー世界に言ってしまうという、良くあるものではありますが、そこで主人公の渋谷有利が翻弄されるさまは、読んでいて笑えますし、その有利自身が、異世界でのユーリとなっていくまで、たっぷり一冊使っている点も、僕としては高評価でした。
いきなり異世界に放り込まれた人間が、そうそうなじめるわけはないですもんね。

でも、逆を言えば、僕がおもしろさを感じたのは、ここだけだったんです。

というのもね。
この本って「現代人がいきなり異世界に」パターンの作品がでてくるたびに、引き合いに出されるから、どれだけ完成度の高い作品なんだろう、と思っていたわけですよ。
しかし、実際に読んでみると、意外に文章面で素人っぽさが感じられることが多く、状況がいまいち理解できない部分が、何カ所もでてきたのは、かなりマイナスでした。
特にラスト部分に至っては、あまりに展開が早すぎて、誰と誰がどこにいるのか、混乱しっぱなし。
それに、冒頭ではお寒い言い間違いギャグなんかもあったりして、ちょっと引いちゃったりもしたんですよね。

僕としては、新井素子の「扉をあけて……」というような話を想像していたので、そのレベル差が、この評価につながったのかもしれません。

でも、何より痛かったのは、やっぱりラブコメがなかったこと、ですね。
ヤオイ系のネタはあったけど。

一応、続きを買うつもりではありますが、オモシロ要素が増えないようなら、そっから先は買うかどうか、ちょっと微妙といえる作品かも。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 05:59
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【小説】 マジカルランド お師匠さまは魔物!
マジカルランド お師匠さまは魔物!
マジカルランド お師匠さまは魔物!
ロバート アスプリン, Robert Asprin, 矢口 悟

どうも、間を空けちゃってすみません。
少しだけ復活した馬数です。
今回の風邪は本当にやっかいらしく、なかなか本調子に戻りません。
けっこうキツいなぁ。

と、愚痴はおいておきまして。

ようやく友人のおうくんから借りていた本を読み終えました。

内容はというと。
一人前の魔術師になりたい!
その思い一つでガルキン師匠の元、魔術の修行を続けている僕、スキーヴ。
しかし、やっていることはと言えば、毎日が羽毛を浮遊させてはアチコチに飛ばすだけの修行ばかり。
そんな状況の中、大事件が起きた。
何者かに師匠のガルキンが暗殺されちゃったのだ!
しかも、師匠は魔術の実演中だったからタチが悪い。
何の魔術かって?
魔物を呼び出そうとしていたんだ。

それからがもう大変。
師匠のガルキンは死んでしまうし、暗殺者には逃げられるし。
でも何より問題なのは、師匠が呼び出そうとしていた魔物、オゥズが本当に出てきちゃったってこと。
運良く、オゥズはガルキンの友人だったため、有無を言わさず食われる、なんてことはなかったんだけど、だからと言って帰る様子もない。
なぜか。
なんでも、魔法を封印されてしまったんだとか。
そ、そんなぁ〜。
いったい僕はどうしたら……。
途方に暮れていた僕に、突然オゥズがこう言ってきた。

「俺は魔法を使えないが、教えることはできる。そしてお前は魔法を習いたい。お前が俺を帰す魔法を習得するまで、俺を師匠とする、ってのはどうだ?」

確かに、師匠がいなくなった今、それが最善という気も……。

こうして始まる魔法を使えない魔物オゥズと魔術師見習い駆け出しスキーヴのおとぼけコンビが織りなす爆笑シリーズ開幕。

というものなんですが、
いや、予想していたよりおもしろい!

ていうのもね。
僕は、外国ファンタジーってのが、あまり肌に合わない人間なんですよ。
それは、もともと僕がSF好きだってこともあるでしょうし、欧米人との生活習慣の違いなんかもあると思うのですが、理由はなんであれ、あまり合わなかったことだけは事実であるわけです。

で、この本もそうなんだろうなぁ、と思っていたわけですが。

いやはや、意外に楽しませてもらいました。

たとえば、冒頭の掛け合い。
魔術師見習い駆け出しであるスキーヴは、その無知能力を使って、魔物のオゥズをアレコレと質問攻めにするのですが、その無知っぷりに、オゥズがイライラしてくるのが伝わってくるんですね。

何しろ、スキーヴの質問ばかりで話が進まないから、読者もイライラしてしまうわけです。
でも、じつはこれが布石となっていて、次第に質問が減っていくスキーヴの姿を見て、読者は
「お、なんか知らんが、スキーヴは成長している感じがするぞ」
なんて思っちゃうわけです。
その辺、うまいよなぁ。

実際、スキーヴの魔術に関しても、物語の後半ではずいぶんと成長していて、その辺からも、この本がスキーヴの成長物語であることを実感させてくれます。

また、前半では滞りがちだった物語も、後半で急展開を見せますので、その緩急が読了後の感触を良いものにしてくれます。


しかし、その一方で、欠点もありまして。
なんていうか、読みづらさがあるんですよね。
原書ではダジャレを多用していたせいか、強引な台詞回しが目立つわけです。
しかも、ト書きより台詞の量が圧倒的に多く、状況を理解しづらいため、序盤のなかなか進まない展開では、読むのがちょっとキツかったりします。

それから、これは意識していたのか分かりませんが、人名以外はすべて日本語にこだわっているような、そんな印象を受けました。
軽い文体なのに漢字が多く、そこに、なんとなく違和感を受けたんですよね。

初めてのシリーズということで、訳者の方が戸惑ってしまったのか、こうした英語から日本語へ、の部分で違和感を感じてしまったのが唯一残念な部分だったのですが、長く続いているシリーズのようですし、シリーズを追っていくに従って、読みやすさはアップしていくのかも。

もしそうなら、読了感の良さも味わってしまったことですし、次の巻も読んでみたい一冊と言える作品です。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★☆[良いけど…], 00:46
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