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【映画】 はやぶさ 遙かなる帰還
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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Amazonランキング: 477位

この映画、けっこう楽しみにしてた映画でした。
じつは、堤幸彦バージョンのはやぶさ/HAYABUSAも観たかったのですが、いろいろあって観ることができず。
そのため両者の比較はできないのですが、まぁ、比較するために映画を観ているわけではないので。
で、結局のところどうだったかというと、とてもよかったです。

堤幸彦バージョンの方は「はやぶさ」目線だったらしいのですが、こちらはどちらかといえば技術者目線。
だから非常にドキュメンタリー色が強く、展開に重きを置いている人だと、抑揚のないストーリー展開に苦痛を感じるかもしれないです。

逆を言えば、ドキュメンタリー映画を楽しめる人なら、この映画は至高の作品となるかもしれません。
まぁ、指標としては「プロジェクトX」や「夢の扉+」、「奇跡の地球物語」辺りをストレスなく観られる人なら、観る価値あり。
観ていてイライラする人には、あまりオススメできない作品といえます。

では、ここからはオススメの人に対してのレビューを。

これは僕も誤解していたのですが、スタートは「はやぶさ」の開発着手ではなく、M-Vロケット打ち上げから始まります。
技術者目線の映画なら、当然、開発段階から描かれるのだろうと思っていたので、正直がっかりしていたのですが、じつはこれ、誤解だったんです。
瀧本監督は、開発についての話をないがしろにしていたのではなく、映画としての大事なポイントである「おもしろいこと」からブレさせないために、この路線をとったんですね。
これは、後々のストーリー展開で知ることができます。

さて、打ち上げから始まった物語ですが、冒頭からしばらくの間は、間延び感が絶えません。
人間ドラマが淡々と流れていくだけですので、例えドキュメンタリーに抵抗がなくても、人によっては苦痛を感じるかもしれません。
また、物語の中では専門用語が飛び交ったり、意味有りげなはやぶさの様子が描かれていたりもするのですが、それに関する説明も特になかったりします。
もちろんそれは無意味ではなく、イオンエンジンの不調であったり、宇宙事業の困難さを示すものであったりするのですが、無駄に時間が伸びるということで省かれてしまったのかもしれません。
でも、個人的には省かないで欲しいところも何箇所かあったんですよね。
そこがちょっと残念かな。

ただ、この前半部分もまったく無駄というわけではなく、軌道計算の達人である山口氏やイオンエンジンの開発コンビである藤中森内ペア、はやぶさを記事にする井上真理や下町ではやぶさの部品に携わった東出のおやじさんなどが、各々苦労したこととともに紹介されてます。それもやっぱり淡々としているわけですが。

でも、後半三分の一になると話は急展開を見せ、技術者たちの夢と希望が現実味を帯びてきます。
そしてその「現実味」が「現実」となった瞬間、泣いちゃうんですね。
出演者も観客も。
仕方ないですよ。男くさく泥臭く頑張ってきた男たちが報われる瞬間ほど、嬉しいものはないです。
そういう共感が得られる映画として、この映画は非常に良作だったと思います。

では、以下ネタバレ。
先程も言ったのですが、この映画は打ち上げシーンから始まります。
最初は「なんで? 技術者目線じゃないの? 開発は?」なんて思ったのですが、これは思い過ごしでした。
だって、本当に淡々としているんですもん。
これに開発エピソードまで丸々加えてしまったら、二部作くらいになっただろうし、しかも一作目は頑張る親父が出てくるだけで、宇宙感はゼロだったでしょう。

しかし今作はその間延び感をできるだけ避けるために、打ち上げシーンからのスタートにしたと思われます。
そして、はやぶさの航行シーンやトラブルを描く中で、はやぶさに詰め込まれたテクニックやエピソードを描いているわけです。
確かにこれなら、無駄なシーンを端折れるため、上手い演出と言えます。
ただ、はやぶさがいかに極限の環境下で運行されているのか、なぜ通信途絶をしたのか、その通信を復旧させたのは、どれだけ奇跡的なことなのか、そこが描ききれていないのが、ちょっと不満かな。
まさに、技術者たちがあきらめなかったからこそ、はやぶさは帰還できなかったわけで、そこを描いてくれれば、★は5になったかと思います。

あと、この映画の前半で主人公、山口氏の父親が危篤となり、駆けつけるシーンがあります。
このシーンで山口氏は父親に声を掛けながら心電図を見るのですが、これって後々のはやぶさ通信途絶での通信回復を祈るシーンと被ってるんですよね。
いわゆる伏線ってヤツ。
この映画には、その伏線がいくつかあるように思われます。
なので、もう一度映画なりDVDで観直してみると、おもしろい発見があるかもしれません。
author:馬数翔(まかず・しょう), category:評価…★★★★☆[良い!], 03:21
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