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- 【小説】 電波的な彼女 -幸福ゲーム-
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2005.08.21 Sunday
電波的な彼女 -幸福ゲーム-
片山 憲太郎, 山本 ヤマト
別に、この本のタイトルになぞらえるわけではないのですが、僕は幸せ者だと思います。
どういうことかと言いますと。
この本最高!
昨日今日と、連続で良い本を読めるなんて!
単刀直入に言っちゃえば、そういうわけです。
いやぁ、本当におもしろかった。
特に今回良かったのは、キャラクターの動かし方。
前巻以上に、主要人物は生き生きと動き回っているし、それをジュウの視線で見ていると、すごく楽しい。
絶対に存在しないキャラクターばかりなのに、これだけ感情移入できるというのは、それだけキャラクターの練り込みが完成しているのか、それとも文章の巧みさ故なのか。
たぶん、両方でしょうな。
それだけ、読んでいて楽しい作品でしたね。
しかも、今回はラブコメ要素が強くなっていて、読みながら自分の相好が崩れてしまっているのも分かってしまうほど。
ラストに至っては、雨をはじめとする主要女性キャラに対して、それぞれに萌えを感じる当たり、してやられたっ、という感じですね。
一方、この作品のもう一つの楽しみ方であるサスペンス要素ですが、こちらはちょっと弱まった感があるかも。
なんていうか、夢オチに近いような肩すかし感があり、その辺はサスペンス好きには不満があるかもしれません。
ただ、人生哲学とかキャラクターのパワーなど、その不満要素を補ってあまりあるほどの魅力が、この作品には込められていますので、この作品の魅力は、サスペンスだけじゃないやい! と思っている人なら、十分満足できる内容だと言えます。
さてさて、今回は柔沢ジュウという人間が、少しばかり変化し始めた印象を受ける本巻。
次は彼がどう変わるのか、そして周囲がどう変わるのか、ものすごく楽しみだったりします。
あぁ、やっぱり内容に触れられない書評は、気持ちが伝えづらい!
以下、ネタバレに続きますっ。
- 【小説】 電波的な彼女 ― 愚か者の選択
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2005.08.18 Thursday
電波的な彼女―愚か者の選択
片山 憲太郎
さて。
昨日は、サクッと読めちゃう作品でしたので、今回はちょっと骨太そうなのを、ということで選んでみました。
電波的な彼女の第二巻。愚か者の選択。
感想。
完全無敵に最高っす!
読みやすい文章であるうえに、先の予想できないストーリー展開。
オチは、多少サスペンスを読んだ人なら予想できる範囲かもしれませんが、僕にとっては新鮮みを感じるものでした。
ていうかね。
この片山憲太郎って方。
かなりレベル上がってますよ。文章レベル。
僕は以前にも言ったのですが、結構斜め読みするタイプ。
おもしろくないな、と思った部分は、それが特に顕著で、肝心な伏線を読み飛ばしたりすることもあります。
しかし、この本については、それをさせてくれませんでした。
だって、
どこを切り取っても
おもしろいんですから!
たぶん、この本は、これまで読んだ本の中でも首位に入るハイレベルな作品です。
なにしろ、電波やら推理やらオタク要素やら、あらゆるものが詰め込まれたゴッタ煮作品でありながら、いずれも軽んじることなく、なおかつ奥深い。
これでプロデビュー二作目というのだから、本当に驚かされます。
どれだけおもしろい話なのか、多少なりとも内容に触れたいのですが、下手すると第一巻のネタバレにも繋がってしまうんですよね。
う〜、もどかしい。
まぁ、それについてはネタバレに譲るとしまして、改めて言っておきましょう。
この本、最高です。ぜひご賞味あれ!
しかも、この本では、雨の素顔がイラストで……。
と、それはそうと、僕が好きな9Sシリーズも山本ヤマト氏がイラストを担当していましたっけ。
なんか、こうなっちゃうと、山本ヤマト氏がイラストを担当した作品は、すべて当たりだと錯覚しちゃいそうだなぁ。
編集の皆様方。
良い作品の指標となりつつある山本ヤマト氏に変な作品をあてがわないよう、よろしく頼んますよ。
以下、ネタバレ。今回は特に注意!
- 【小説】 電波的な彼女
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2005.08.13 Saturday
電波的な彼女
片山 憲太郎
うぅ……。
今日は忙しかったぁ。
まぁ、精神的なストレスはさほどでもなかったので、本を読むこと自体はできましたが、来週辺りはそれもツラくなるかも。
とまぁ、弱音はさておきまして。
本日読み終わった「電波的な彼女」。
最初、このふざけたタイトルを目にしたとき、
あぁ、お決まりのギャグ小説とかなんだろうなぁ。
しかも、そのギャグがお寒かったりするんだろうなぁ。
なんて思っていたのです。
ただ、食わず嫌いは嫌いなタチなので、今回あえて挑んでみました。
はい、食わず嫌いでした!
ていうか、かなりおもしろいんじゃないでしょうか。
あのふざけたタイトルがなければ、もっと早く手にしていたものを。
てっきりこの作品、タイトルから生まれたものだと思っていたのですが、内容を読む限り、まったくの逆。
作品のテイストから名付けられたんでしょうな。
とまぁ、抽象的な感想は置いておきまして。
内容としては
その見た目と体から入学以来「不良」の冠をいただくことになった柔沢ジュウ。
そんな彼の元に一人の女生徒が、ある一言を従えてやってきた。
「我が心はあなたの奴隷、我が王、ジュウ様」
と。
彼女の名前は堕花雨。
男なら殴れば済む話も、相手が女であれば、そうもいかない。
気味の悪さに逃げるジュウ。
その彼の身近で、異常殺人が発生する。
果たして犯人は誰なのか。
やはり電波的なことを言い続ける……。
驚愕のサスペンス、ここに開幕!
というわけなんですが、最初はファンタジー小説だとばかり思っていた作品が、じつは現代サスペンスだと知ってびっくり。
でも、これはよい感じで裏切られました。
だって、いやはやどうして、サスペンスとしてのストーリー構成は意外にうまいんですもん。
また、電波系彼女である堕花と不良少年ジュウの心の距離がうまく描かれており、さほど不自然さは感じられませんでした。
それに、主人公となる少年のキャラもしっかり固まっていて、判で押したようなスタンダードもてないクンでなかったのも、好印象。
ストーリー的にも、ラストに向けて、物語全体の謎が少しずつ氷解していく醍醐味もありましたし、ライトノベルサスペンスとしての出来はなかなか、というところではないでしょうか。
僕の大好きなラブコメ要素が薄かったのは、ちとばかし残念ではありますが、これはこれで好みの範疇ですね。
ただ、おしむらくは新人ということもあってか、多少読みづらい箇所があり、それが若干のマイナス点ではありましたが、それがなければ、最高、という評価にしても良かったと思える作品でした。
ラノベでサスペンスが読みたい!
という方にはオススメなので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに、殺人事件という現実的なことがテーマであるだけに、少しばかり生々しい表現があり、わずかながら性的表現が含まれている箇所もありますので、そういうのに弱い方は、ご注意くださいませ。
以下、ネタバレ。